今の株式相場は買いなのか売りなのか? 相場の見極め方の最も簡単な方法は、ドル/円の動きをウオッチすることである。円高時には日本も米国も株は上がりにくい。
ドル/円の円安はリスクオン相場の先行指標であり、ビットコインの上昇は流動性相場の先行指標
これまでラジオやレポートなどでお伝えしてきたが、ドル/円の円安はリスクオン相場の先行指標であり、M2マネーサプライ(経済に流通している通貨の量を測る指標)と最も相関関係の高いビットコインの上昇は流動性相場の先行指標である。
ドル/円(1時間足)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター
日経平均CFD(1時間足)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター
ドル/円(日足)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター
日経平均CFD(日足)

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ビットコイン/ドル(日足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
S&P500CFD(日足)

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ナスダック100CFD(日足)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター
テスラ(日足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
株が上がるか下がるかの傾向としては、これからもドル/円とビットコインの動きを注視する必要がある。
日・米の不気味な金利の上昇
現在、日本銀行の実質金利はマイナス3.1%だ。日銀の異常な金融政策で円安が進行している一方で、日本の長期および超長期金利が不気味な上昇を続けている。40年国債は発行以来の最高金利を記録した。国内総生産(GDP)比250%超の国家債務を抱える中、この金利上昇は日本の財政の持続性に危険信号を発している。
日本10年国債金利(日足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
日本30年国債金利(日足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
日本40年国債金利(日足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
世界の中央銀行の政策金利

「しばしば見落とされているのは、日本がインフレ対策を遅らせているだけでなく、世界的なキャリートレードを戦略的に支えているということだ。日銀の政策転換は、単に国債利回りを押し上げるだけではない。為替ヘッジ付きの国債購入、米ドル資金の裁定取引、そして世界的なデュレーション需要という、数兆ドル規模の網を解きほぐすことになる。日本が本格的に金融引き締めを進めれば、その波及効果は国債の下落だけでなく、資産間のレバレッジ解消にもつながる。米国債利回りの上昇、円高、海外のドル流動性の低下、そしてリスク・パリティ取引の強制的な解消などを考えてみてほしい。真のショックは国債ではなく、それが引き起こす世界的なレバレッジ解消なのだ」
(EndGame MacroのXへの投稿)
米国30年国債金利(日足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ドルインデックスCFD(日足)

出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
「米ドルは通常、債券利回りと非常に近い動きをする。従って、利回りが上昇すると、ドルも上昇するはずだ。しかし、数年ぶりにそのつながりが崩れ始めている。これは、ドルを安定させるために金利がさらに上昇する必要があることを示唆している。あるいは、ドルはより深刻な崩壊の危険にひんしている」
(Bravos ResearchのXへの投稿)
日銀にできることは何もない。利上げすると円レバレッジのコストが上昇し、円キャリートレードの巻き戻しを誘発する。円キャリートレードが巻き戻されれば、金融システムを維持するために円の増刷に迫られる。その結果、円安が進み、日本国民のインフレコストが再び高まり、円の購買力がますます失われる。
金融インフレの時代には資産価格が、ほぼ際限なく、つまりシステム全体が破綻するまで上昇するが、金融インフレに積極的に関与するシステムは、つまるところ破綻する。インフレ期には実質賃金が減少して大衆の生活水準が落ちてしまうからだ。
その昔、経済学者のルートヴィヒ・フォン・ミーゼスは書いた。
「介入主義の社会哲学の本質的なポイントは、永遠に絞られる無尽蔵の資金の存在です。この噴水が枯渇すると、介入主義のシステム全体が崩壊します」
『ブロークン・マネー』の著者リン・オールデンは、通貨制度がいかにあなたから価値を引き出すように設計されているかを論破する。不換紙幣がどのように終わりなき戦争の資金源となっているのか、中央集権的な台帳がなぜ政府にこれまで以上の支配力を与えているのか、そしてシステムに対する信頼が崩れたときに何が起こるのか…。
「現時点では、今陥っている負債バブルから抜け出す方法を考えることが先決になる。この負債バブルは、このまま行けば、より一層深刻なインフレへと発展してしまうからだ」
(リン・オールデン)
買い?売り?リスクオンと流動性の先行指標は!?
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